【英語ミニ情報】「リスニングでメモは取るな」と先生が言う本当のワケ(2)

「メモを取っていい」というリスニング試験では、
メモを取ったほうが良い点が取れると私は思います。

しかし、多くの先生方が、
「リスニング中にはメモを取るな、音声に集中せよ」と言うのです。

私は、これには裏事情が2つあると思っています。
その1つ目については、前回お話しいたしました。
今回はその2つ目です。

<2>大学で必要な「英語のスキル」を知らないから

共通テストは大学への入り口となる試験です。
つまり、「大学で必要な英語のスキル」を測る試験となっています。
そしてメモを取ること、すなわちノートテイキングは、大学で必須の英語のスキルです。

でも、この「大学で必要な英語のスキル」を知らない先生が、
高校、塾、予備校等にいらっしゃる。

「大学の英語のことは大学でやってくれ」
「関心がない」
「自分の指導の範疇ではない」

私は全国の先生方とお話しする機会が多いのですが、
直接このように言われたことが、何度もあります。

現在、全国の、特に私立の大学では、
文系・理系を問わず、日本語を使わずに英語だけで授業を行うクラスが増えています。
必修の「英語」はもちろんのこと、経営やIT、心理学など、
専門の科目も英語で行うところが多くなっています。

私もそのようなクラスを教えています。
1年生の4月の第1回目から、ノートテイキングのスキルを使って、
英語だけで行われる講義を受けるよう指導します。

この長い講義で、先生が言った大事なことを理解し、ノートに書き留めなければ、
試験で十分な点を取ることができません。
ディスカッション、プレゼン、ペーパーなどでも高い評価を受けることができません。

ですから、本来、ノートテイキングは大学で習うものではなく、
入学する前までに身につけるべきスキルなのです。

「メモを取っていい」という共通テストの設問からは、
1年生の始めから授業についていけないことがないように、
単位が取れないことがないように、
受験までにしっかりと勉強してほしいという作成側の意図を感じます。

それなのに、先生がこれらのスキルを知らないのであれば、
もちろん生徒に指導することはできません。

そして、指導してもらわなければ、どんなに優秀な生徒でも、
こうしたスキルは自力で身につけられるものでもありません。

英語の入試、つまり大学で求められる英語力は、昔とは変化しています。

自分自身も教えられてきていないから、
大学で必要なスキルを知らないから、という理由で、
「リスニングの時にはメモを取らないほうがよい」と言い、
ノートテイキングの指導をしないのは、
真に生徒の未来を考えていることになるでしょうか。

生徒のためにも、先生は学び続けていく必要がある
私はそう思います。

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